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◆会社概要
株式会社セル源販売本社
株式会社セルゲン
生命分子活性化研究所
福岡市博多区
東京都銀座 |

コールセンター
0120-852-899 |
| 会社概要:福岡・東京 |
◆天然石鹸
◆ビタミン・ミネラルセル源M |
●国内最初に「人間ドック」を
開設した医師が、1979年に
設立した病院が母体の研究所。
東大名誉教授・医師を中心に、
体、肌、水、ミネラルの研究・開発。 |

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がん
悪性腫瘍、癌は、他の組織との境界に侵入したり(浸潤)、あるいは転移し、身体の各所で増大することで宿主の生命を脅かす腫瘍である。

悪性腫瘍は腫瘍の中でも浸潤性に増殖し転移するなど悪性を示すもののことである。

ヒトの身体は数十兆個の細胞からなっている。
これらの細胞は、正常な状態では細胞数をほぼ一定に保つため、分裂・増殖しすぎないような制御機構が働いている。

それに対して悪性腫瘍は、生体の細胞がコントロールを失って無制限に増殖するようになったものである。

こうしてできた異常細胞の集団が「腫瘍」であるが、この腫瘍が正常組織との間に明確なしきりを作らず浸潤性に増殖していく場合、悪性腫瘍であると言える。

悪性腫瘍の生物学的な性質は個々の腫瘍によって異なるが、発生母地となった臓器によって一定の傾向がある。
しかし、どのような性質を持っているものであれ多くの場合は以下のような機序で生体の生命維持に重大な支障を来し、多臓器不全や身体の衰弱でしばしば死を招くことがあります。

無制限に栄養を使って増殖するため、生体は急速に消耗する
臓器の正常組織を置き換え、もしくは圧迫して機能不全に陥れる
異常な内分泌により正常な生体機能を妨げる(→播種性血管内凝固症候群、傍腫瘍症候群、高カルシウム血症)
全身に転移することにより、多数の臓器を機能不全に陥れる


細胞のがん化する過程
正常な細胞 → 過形成 → 軽度の異形成 → 重度の異形成 → がん細胞

と変化していくほぼ全ての「がん」は、遺伝子の突然変異によって発生する。
一部、遺伝子のエピジェネティック変化が要因となることもある。

身体を構成している数十兆の細胞は、分裂・増殖と、「プログラムされた細胞死」(アポトーシス)を繰り返している。
正常な状態では、細胞の成長と分裂は、身体が新しい細胞を必要とするときのみ引き起こされるよう制御されている。
すなわち細胞が老化・欠損して死滅する時に新しい細胞が生じて置き換わる。

ところが特定の遺伝子(通常複数の遺伝子)に突然変異が生じると、このプロセスの秩序を乱してしまうようになる。
身体が必要としていない場合でも細胞分裂を起こして増殖し、逆に死滅すべき細胞が死滅しなくなる。

このようにして生じた過剰な細胞は組織の塊を形成し、腫瘍あるいは新生物と呼ばれる。
腫瘍には良性(非がん性)と悪性(がん性)とが存在する。
良性腫瘍は、まれに命を脅かすことがあるが(特に脳に出来た場合)、身体の他の部分に浸潤や転移はせず、肥大化も見られない。一方、悪性腫瘍は浸潤・転移し、生命を脅かす。

全ての遺伝子の突然変異ががんに関係しているわけではなく、特定の遺伝子の変異が関与していると考えられている。
また、発癌には多段階発癌説が提唱されている。

すなわち、がんに関与する因子ならびにがんに至るプロセスは単一ではなく、複数の遺伝子変異などが関与すると考えられている。

がん発生に関与する遺伝子群
現在、がん抑制遺伝子といわれる遺伝子群の変異による機能不全がもっともがん発生に関与しているといわれている。

分化度
ヒト(の身体)を構成する60兆とも言われる細胞は、1個の受精卵から発生を開始し、当初は形態的機能的な違いが見られなかった細胞は各種幹細胞を経て組織固有の形態および機能をもった細胞へと変化してゆく。

この形態的機能的な細胞の変化を分化という。細胞の発生学的特徴の一つとして、未分化細胞ほど細胞周期が短く盛んに分裂増殖を繰り返す傾向がある。通常、分化の方向は一方向であり、正常組織では分化の方向に逆行する細胞の幼若化(=脱分化)は、損傷した組織の再生などの場合を除き、発生しない。

しかし、がん細胞は特徴の一つに幼若化/脱分化するという性質があるため、その結果分化度の高い(=高分化な)がん細胞や、ときには非がん組織から、低分化あるいは未分化ながん細胞が生じる。細胞検体の検査を行ったとき、細胞分化度が高いものほど臓器の構造・機能的性質を残しており、比較的悪性度が低いと言える(ただしインシュリノーマ等の内分泌腺癌など、例外はある)。また、通常は分化度の低いものほど転移後の増殖も早く、治療予後も不良である。

化学療法は、特定の細胞周期に依存して作用するものが多いため、細胞周期が亢進している分化度が低いがんほど化学療法に対して感受性が高いという傾向がある。なお、腫瘍細胞への作用原理・特性などは化学療法の項に詳しい。


発生要因
「がんの発生機序」の項で述べたように、悪性腫瘍(がん)は、細胞のDNAの特定部位に幾重もの突然変異が積み重なって発生する。突然変異が生じるメカニズムは多様であり、全てが知られているわけではない。
突然変異は、通常の細胞分裂に伴ってしばしば生じていることも知られており、偶発的に癌遺伝子の変異が起こることもありうる。それ以外に、発癌の確率(すなわち遺伝子の変異の確率)を高めるウイルス、化学物質、環境因子などの要因もいくつか明らかになっている。

しかし、DNA修復機構や細胞免疫など生体が持つ修復能力も同時に関与するので、水疱瘡が、水痘・帯状疱疹ウイルス の感染で起こるといったような1対1の因果関係は、癌においては示しにくいことが多い。

生活習慣(肉食、塩分、喫煙、飲酒など)

肺がんの発生率は喫煙と高い相関がある。
各国民の肉の消費量と大腸癌の発生率には高い相関がある。喫煙と数多くの部位のがんとの間に強い相関があることが、数十年にわたる調査での一貫した結果によって明らかになっている。
数百の疫学調査により、たばことがんとの関係が確認されている。アメリカ合衆国における肺がん死の比率とたばこ消費量の増加パターンは鏡写しのようであり、喫煙が増加すると肺がん死比率も劇的に増加し、近年喫煙傾向が減少に転じると、男性の肺がん死比率も減少している。
日本政府が日本たばこ産業の株の半数以上を保有しているため、喫煙規制や禁煙に関する動きが進みにくかったという指摘が渡邊昌によってなされており、がんの死亡率の1位が肺がんとなっている。

米国国立がん研究所の公開資料によると、「食事の違いはがんの危険を決定づける役割を持っている。
タバコ、紫外線、そしてアルコールは顕著な関係が識別できるのに対して、食事の種類とがんに罹る危険性との関係を明らかにすることは難しい。
脂肪とカロリーの摂取を制限することは、ある種のがんの危険率を減少させる可能性があると明らかとなっている。
(脂肪に富んだ)大量の肉と大量のカロリーを摂取する人々は、特に大腸がんにおいて、がんの危険が増大することが指摘している。

いわゆる「食生活の欧米化」は、乳房や前立腺や大腸のがんとの関連が強いと考えられ[、実際に部位別の死亡率は増えている。

つまり、近年になって日本人に大腸癌や乳癌が増えてきた原因のひとつには、食生活の欧米化による動物性脂肪の摂取の増加と食物繊維の摂取不足がある、と指摘されているのである。
大腸での便の停滞時間が長くなって発癌物質が大腸粘膜と長時間接するため大腸癌が多くなったと考えられているのである。

ストレス:ストレスを与えると、血流の低下、免疫力の低下につながり、がんになる確率があがる。

低体温症:がん細胞は低い温度を好むため、平常時体温が36.0℃を下回る人はがんになる確率が上がる。

WHOと国際がん研究機関 (IARC) による、「生活習慣とがんの関連」についての報告がある。

生活習慣とがんの関連
(WHO/IARC) 関連の強さ リスクを下げるもの(部位) リスクを上げるもの(部位)

確実
身体活動(結腸) たばこ(口腔、咽頭、喉頭、食道、胃、肺、膵臓、肝臓、腎臓、尿路、膀胱、子宮頸部、骨髄性白血病)
他人のたばこの煙(肺)
過体重と肥満(食道<腺がん> 結腸、直腸、乳房<閉経後>、子宮体部、腎臓)
飲酒(口腔、咽頭、喉頭、食道、肝臓、乳房)、
アフラトキシン(肝臓)、
中国式塩蔵魚(鼻咽頭)

可能性大
野菜・果物(口腔、食道、胃、結腸、直腸)
身体活動(乳房) 貯蔵肉(結腸、直腸)
塩蔵品および食塩(胃)
熱い飲食物(口腔、咽頭、食道)

可能性あり
データ不十分 食物繊維 大豆 魚 N-3系脂肪酸 カロテノイド ビタミンB2, B6, 葉酸、B12, C, D, E
カルシウム、亜鉛、セレン非栄養性植物機能成分(例:アリウム化合物、フラボノイド、イソフラボン、リグナン)
動物性脂肪 ヘテロサイクリックアミン 多環芳香族炭化水素 ニトロソ化合物

病因微生物
一部の悪性腫瘍(がん)については、ウイルスや細菌による感染が、その発生の重要な原因であることが判明している。現在、因果関係が疑われているものまで含めると以下の通り。

子宮頸部扁平上皮癌 - ヒトパピローマウイルス16型、18型(HPV-16, 18)
バーキットリンパ腫 - EBウイルス(EBV)
成人T細胞白血病 - ヒトTリンパ球好性ウイルス
肝細胞癌 - B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)
カポジ肉腫 - ヒトヘルペスウイルス8型(HHV-8)
胃癌および胃MALTリンパ腫 - ヘリコバクター・ピロリ

これらの病原微生物によってがんが発生する機構はさまざまである。
ヒトパピローマウイルスやEBウイルス、ヒトTリンパ球好性ウイルスなどの場合、
ウイルスの持つウイルスがん遺伝子の働きによって、細胞の増殖が亢進したり、p53遺伝子やRB遺伝子の機能が抑制されることで細胞ががん化に向かう。
肝炎ウイルスやヘリコバクター・ピロリでは、これらの微生物感染によって肝炎や胃炎などの炎症が頻発した結果、がんの発生リスクが増大すると考えられている。

またレトロウイルスの遺伝子が正常な宿主細胞の遺伝子に組み込まれる過程で、宿主の持つがん抑制遺伝子が欠損することがあることも知られている。
ただしこれらの病原微生物による感染も多段階発癌の1ステップであり、それ単独のみでは癌が発生するには至らないと考えられている。

遺伝的原因
大部分のがんは偶発的であり、特定遺伝子の遺伝的な欠損や変異によるものではない。
しかし遺伝的要素を持ちあわせる、いくつかのがん症候群が存在する。例えば、

女性のBRCA1遺伝子がもたらす、乳がんあるいは子宮がん
多発性内分泌腺腫 - 遺伝子MEN types 1, 2a, 2bによる種々の内分泌腺の腫瘍
p53遺伝子の変異により発症するLi-Fraumeni症候群、(骨肉腫、乳がん、軟組織肉腫、脳腫瘍など種々の腫瘍を起す)
(脳腫瘍や大腸ポリポーシスを起す)Turcot症候群
若年期に大腸がんを発症する、APC遺伝子の変異が遺伝した家族性大腸腺腫症
若年期に大腸がんを発症する、hMLH1, hMSH2, hMSH6などDNA修復遺伝子の変異が遺伝した遺伝性非腺腫性大腸がん
幼少期に網膜内にがんを発生する、Rb遺伝子の変異が遺伝した網膜芽細胞腫
若年期に高頻度に多発性多嚢胞腎を発症し、後に腎がんを発生する、VHL遺伝子の変異が遺伝したフォン・ヒッペル・リンドウ病
原因となる遺伝子は不詳であるが、家族内集積のみられる非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)や原発性胆汁性肝硬変による肝細胞癌

遺伝的素因と環境因子の双方により発癌リスクが高くなるものとして、
アルコール脱水素酵素の低活性とアルコール多飲がある。これらが揃うと頭頸部癌(咽頭癌・食道癌など)の罹患率が上昇する。
日本を含むアジアではアルコール脱水素酵素の活性が低い人が多い。

予防
子宮頸癌は発癌リスクを軽減できるHPVワクチンが日本でも認可された。胃癌はヘリコバクター・ピロリを除菌することにより、発癌リスクを軽減できることが報告されている。
B型肝炎はエンテカビルによりHBVウイルスを減少させることで、C型肝炎はインターフェロン療法によりHCVを駆除することにより、発癌リスクを軽減できることがわかっている。

がん予防10か条(世界がん研究基金)
2007年11月1日、世界がん研究基金とアメリカがん研究協会によって7000以上の研究を根拠に「食べもの、栄養、運動とがん予防」が報告されている。
これは1997年に公表され、日本では「がん予防15か条」などと呼ばれていた4500以上の研究を元にした報告の大きな更新である。

肥満 標準体重の維持。

運動 推薦:毎日少なくとも30分の運動。

体重を増やす飲食物 推薦:高エネルギーの食べものや砂糖入り飲料や、フルーツジュース、ファーストフードの摂取を制限する。飲料として水や茶や無糖コーヒーが推奨される。


植物性食品 ゴール:毎日少なくとも600gの野菜や果物と、少なくとも25グラムの食物繊維を摂取するための精白されていない穀物である全粒穀物と豆を食べる。
推奨:毎日400g以上の野菜や果物と、全粒穀物と豆を食べる。
精白された穀物などを制限する。

動物性食品 赤肉(牛・豚・羊)を制限し、加工肉(ハム、ベーコン、サラミ、燻製肉、熟成肉、塩蔵肉)は避ける。赤肉より、鶏肉や魚が推奨される。ゴール:赤肉は週300g以下に。推奨:赤肉は週500g以下に。
乳製品は議論があるため推奨されていない。
アルコール 男性は1日2杯、女性は1日1杯まで。
保存、調理 ゴール:塩分摂取量を1日に5g以下に。推奨:塩辛い食べものを避ける。塩分摂取量を1日に6g以下に。
カビのある穀物や豆を避ける。

サプリメント ゴール:サプリメントなしで栄養が満たせる。推奨:がん予防のためにサプリメントにたよらない。
母乳哺育 6か月、母乳哺育をする。これは母親を主に乳がんから、子供を肥満や病気から守る。
がん治療後 がん治療を行ったなら、栄養、体重、運動について専門家の指導を受ける。
タバコの喫煙は肺、口腔、膀胱がんの主因であり、タバコの煙は最も明確に多くの部位のがんの原因であると強調。また、タバコとアルコールは相乗作用で発癌物質となる。

がん対策の目標(健康日本21-日本厚生労働省)
2000年、厚生労働省の健康日本21によってがん対策の目標が提唱されている。

喫煙が及ぼす健康影響についての知識の普及、分煙、節煙。
食塩摂取量を1日10g未満に減らす。
野菜の平均摂取量を1日350g以上に増やす。
果物類を摂取している人の割合を増やす。
食事中の脂肪の比率を25%以下にする。
純アルコールで1日に約60g飲酒する人の割合を減少する。 「節度ある適度な飲酒」は、約20gという知識の普及。
がん検診。胃がん、乳がん、大腸がんの検診受診者の5割以上の増加。

がんを防ぐための12か条(日本国立がんセンター)
1978年、日本の国立がんセンター(現・独立行政法人国立がん研究センター)は「がんを防ぐための12ヵ条」を提唱している。

バランスのとれた栄養をとる(好き嫌いや偏食をつつしむ)
毎日、変化のある食生活を(同じ食品ばかり食べない)
食べすぎをさけ、脂肪はひかえめに
お酒はほどほどに(強い酒や飲酒中のタバコは極力控える)
たばこは吸わないように(受動喫煙は危険)
食べものから適量のビタミンと食物繊維を摂る(自然の食品の中からしっかりとる)
塩辛いものは少なめに、あまり熱いものはさましてから
焦げた部分はさける
かびの生えたものに注意(輸入ピーナッツやとうもろこしに要注意)
日光に当たりすぎない
適度に運動をする(ストレスに注意)
体を清潔に
がん検診

分類
「がん」は単一の細胞を起源とする。
したがって、がんは発生母地となった細胞の種類(組織学的分類)と細胞の身体的部位(解剖学的分類)とで分類できる。
 
成人のがん
成人の「がん」は普通、上皮組織に形成され、遺伝的あるいは内因的特性を持つ人々が、外的要因に曝された影響による長期間にわたる生物学的プロセスの結果として生じるとおおかたの場合は考えられている。
肉腫は上皮由来ではないが、悪性腫瘍として癌と同様に検査・診断・加療される。

次に例を示す:(「がん」・「癌」については、明確に癌腫の場合は「〜癌」、疾患名の場合は「〜がん」と表記している)
液(および骨髄) - 造血細胞悪性腫瘍
白血病 、リンパ腫 、ホジキン病 、非ホジキンリンパ腫 、多発性骨髄腫 、脳腫瘍
乳がん 、子宮体がん - 子宮 、子宮頚がん 、卵巣がん
食道癌 、胃癌 、虫垂癌
大腸癌 - 大腸、直腸、肛門およびその付随組織 、肝癌 、肝細胞癌 - 肝臓
胆嚢癌 、胆管癌 、膵臓がん(膵がん)、副腎癌 、消化管間質腫瘍
中皮腫 - 胸膜、腹膜、心膜など
頭頚部癌 、喉頭癌 、口腔癌 、口腔底癌 、歯肉癌 、舌癌 、頬粘膜癌
唾液腺癌 、副鼻腔癌 、上顎洞癌 、前頭洞癌 、篩骨洞癌 、蝶型骨洞癌
甲状腺癌 、腎臓がん 、肺癌
骨肉腫 - 骨など 、前立腺癌 、精巣腫瘍・睾丸がん 、腎細胞癌 - 腎臓 、膀胱癌
横紋筋肉腫 - 筋肉(骨格筋) 、皮膚癌(「ほくろ」と形成異常母斑を含む) 、肛門癌

幼児期のがん
「がん」は幼い子供にも発生し、場合によっては新生児にも発生する。
異常な遺伝形質プロセスの為に細胞の複製幼若化にたいして抑制が利かないので、制御されない増殖が早期より亢進し、がん進行も速い。

また、肉腫が多いことが特徴として挙げられる。そのため、外科治療による治癒が難しいとされている。だが、抗がん剤が効きやすいという特徴も持つといわれている。そのため、現在では7割が治療に成功するとされている。

幼児期のがんの発生ピーク年齢は生後一年以内にある。
神経芽細胞腫は最も普通に見られる新生児の悪性腫瘍であり、白血病と中枢神経がんがその次に続く。女子新生児と男子新生児とは概して同じ発生率である。しかし、白人の新生児は黒人の新生児に比べてほとんどの種類のがんにおいて大幅に発生率が高い。

新生児の神経芽細胞腫は生存率が非常に良く、ウィルムス腫瘍、網膜芽細胞腫も非常に良いが、他のものはそれほど良くない。

神経芽細胞腫 、白血病 、中枢神経がん 、ウィルムス腫瘍 、生殖細胞がん
軟組織肉腫 、肝がん 、リンパ腫 、上皮性がん

診断
「がん」の診断には2つの状況がある。
ひとつは臨床診断(特に病理検査)ともうひとつは集団検診(がん検診; 術後検診を含む)である。
がんを根治する上で重要な点は「早期発見」と「全摘出手術の可能性検証」が挙げられる。
言い換えると、集団検診と臨床診断とが効果的に機能して初めて、がん治療が成功に導かれる。
また全摘出手術が困難な状況において、がんの種類によって異なる有効な治療法を選択する目的でも、臨床診断は重要である。
一方、全摘出手術が成功した場合においても、再発がん、二次性がんの発生の懸念があるため、その局面においても術後定期検診は重要である。

細胞診断・生検組織診断
「がん」の組織は顕微鏡下での観察、すなわち検鏡によって、形態から鑑別される。
判定像では多くの分裂中の細胞が観察され、細胞核のサイズや形状はばらばらであり、(分化した)細胞の特徴が消失している。
これらは細胞診でも生検組織診でも確認できる特徴である。
組織診では更に、正常な組織構造が失われていることや、周囲の組織(が一緒に採取されていれば、そこ)と腫瘍との境界が不明瞭であることが観察される。

生検組織診は、過形成、異形成、上皮内癌などと浸潤癌との鑑別に有用である。

治療
「がん」治療の代表的なもの

外科手術 、化学療法 、放射線療法 、免疫療法 、補助的治療 、痛みのコントロール
がんの心理療法(精神面・心理面のサポート) 、代替薬 、ウイルス治療

がん治療後の生活の質の向上
がん治療後の最大の関心事は再発の有無であり、又は、がんが残っている場合にはその推移である。このため、治療後も主治医による定期的な検診を受けて状況を正しく把握しつつ生活を再建していくことが肝要である。

がん治療は手術による切除などを伴うことが多く、治療後の生活は、例えば治療によってがんそのものは完治した場合であっても、大きく影響を受けることが多い。

がんができた場所によって治療により影響を受ける機能は千差万別であり、対処法もそれぞれに異なる。一般に、切除などによって失われる体の機能をできる限り小さくし、失われた機能を補う手段を用いて、治療後の生活の質(QOL,
Quality Of Life)を従来よりも向上させる努力が進められている。
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糖尿病は、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が病的に高い状態をさす病名である。

ひとことに血糖値が高いと言っても、無症状の状態から、著しいのどの渇き・大量の尿を排泄する状態、さらには意識障害、昏睡に至るまで様々であるが、これらをすべてまとめて、血糖値やヘモグロビンA1c値が一定の基準を越えている場合を糖尿病という。

糖尿病は高血糖そのものによる症状を起こすこともあるほか、長期にわたると体中の微小血管が徐々に破壊されていき、目、腎臓を含む体中の様々な臓器に重大な傷害を及ぼす可能性があり、糖尿病治療の主な目的はそれら合併症を防ぐことにある
。

糖尿病は遺伝性疾患であり、家族歴が発症の重要な原因となる。

なお、腎臓での再吸収障害のため尿糖の出る腎性糖尿は別の疾患である。

1674年、ヨーロッパで当時奇病とされていた多尿症の研究をしていたイギリスの臨床医学者、トーマス・ウィリスが、尿に含まれる成分を何としても知りたくなり、患者の尿を舐めてみて、甘かったのが本病確認のきっかけとされている。



血液中のブドウ糖濃度(血糖値、血糖)は、様々なホルモン(インスリン、グルカゴン、コルチゾールなど)の働きによって正常では常に一定範囲内に調節されている。
いろいろな理由によってこの調節機構が破綻すると、血液中の糖分が異常に増加し、糖尿病になる。
糖尿病は大きく1型と2型にわけられるが、これはこの調節機構の破綻の様式の違いを表している。

1型糖尿病では膵臓のβ細胞が何らかの理由によって破壊されることで、血糖値を調節するホルモンの一つであるインスリンが枯渇してしまい、高血糖、糖尿病へと至る。

一方2型糖尿病では、血中にインスリンは存在するのだが肥満などを原因としてインスリンの働きが悪くなるか、あるいは自己免疫的に破壊された訳ではないが膵臓のβ細胞からのインスリン分泌量が減少し、結果として血糖値の調整がうまくいかず糖尿病となる。
その他にも、妊娠糖尿病をはじめとして発症機序の違いに基づくいくつかの病名があって、これらをひとまとめにしている糖尿病は病名というより症候群と言ったほうが適切である。

「糖尿病」の名称は、血糖が高まる結果、尿中に糖が排出されることに由来する。
しかし尿中に糖が排出されること自体は大きな問題ではない。
1型糖尿病の場合、放置すると容易に急激な高血糖と生命の危険も伴う意識障害を来す糖尿病性ケトアシードシスを引き起こしかねないため、インスリン注射などの積極的な治療により強力に血糖値を下げることが基本的な治療目標となる。

一方2型糖尿病においては1型ほど血糖値が上昇することは通常ないが、治療せず長期に放置すると糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症などの糖尿病慢性期合併症の起こる頻度が多くなるため、生活習慣の是正、経口血糖降下薬やインスリン注射により血糖値をある程度下げることによってこのような合併症を引き起こすことを防ぐことが治療目標である。長期的に落ち着いている1型糖尿病においては、やはり治療目標は2型と同様のものになる。
妊娠糖尿病においては、妊婦の高血糖を原因として胎児奇形や妊産婦合併症の頻度が高くなる理由となるので、それを防ぐために血糖値を下げる治療をするのである。



世界保健機関 (WHO) によると、2006年の時点で世界には少なくとも 1億7100万人の糖尿病患者がいるという。
患者数は急増しており、2030年までにこの数は倍増すると推定されている。
糖尿病患者は世界中にいるが、先進国ほど(2型の)患者数が多い。

しかしもっとも増加率の高い地域はアジアとアフリカになるとみられており、2030年までに患者数が最多になると考えられている。発展途上国の糖尿病は、都市化とライフスタイルの変化にともなって増加する傾向があり、食生活の「西欧化」と関連している可能性がある。このことから糖尿病には(食事など)環境の変化が大きくかかわってくると考えられる。

先進国において、糖尿病は 10大(あるいは5大)疾病となっており、他の国でもその影響は増加しつつある。
米国を例にとると、北米における糖尿病比率は、少なくともここ20年間は増加を続けている。

2005年には、米国だけでおよそ 2080万人の糖尿病患者がいた。全米糖尿病協会 によると、620万人の人々がまだ診断を受けておらず、糖尿病予備軍は4100万人に達する。

日本国内の患者数は、この40年間で約3万人から700万人程度にまで膨れ上がってきており、境界型糖尿病(糖尿病予備軍)を含めると2000万人に及ぶとも言われる。
厚生労働省発表によると、2006年11月時点の調査データから、日本国内で糖尿病の疑いが強い人は推計820万人であった。厚生労働省の2006年の人口動態統計(vital
statistics)によれば、全国の死亡率の都道府県ワースト1位は1993年から14年連続で徳島県である(10万人当たり19.5人、ちなみに最低は愛知県で7.5人)。


特定の疾患等による死亡率で10年以上継続して、同一の県が1位であるのは他にあまり例を見ない(他の地域的な高率としては、精神医療の分野において、秋田県が1995年から2006年まで12年連続自殺率1位であることなどが挙げられる。
秋田県の自殺率、すなわち人口10万人当たりの自殺者数は42.7人で、全国平均は23.7人である)。
糖尿病は生活習慣病の一種であるだけに、治療型から保健指導型の予防医療への転換を図らない限り、その死亡率を劇的に下げることは容易でない。
徳島県は医療機関数・医師数などが全国平均よりも高い県であるだけに、徳島県医師会や医療機関、徳島県その他行政機関及び地域住民の糖尿病予防に対する知識と意識の低さが、毎年、要因として指摘され続けているが、少なくとも統計上の結果としては、ほとんど改善されていない。
徳島県は2005年11月に「糖尿病緊急事態宣言」を宣言したが、数値の上では何ら結果を出さず、かえって10万人当たりの死亡率は前年の18.0人から19.5人にまで悪化した。全国初の20人越えも視野に入り、死亡率最低の愛知県と比べ3倍にも達する勢いで、更に増加傾向にある。
特定の疾患の地域間格差としては極めて異例といえる。また徳島県では肥満という要素でも、20歳以上の男性の37.2%が肥満であり、全国平均の28.4%を大きく上回っていて、糖尿病予備軍としての肥満の若者の存在は更に将来の展望を厳しいものにしている。

厚生労働省の2007年の人口動態統計(概数)によれば、徳島県はワースト1位を15年ぶりに脱し、平均14.2人(人口10万人当たり死亡率)ワースト6位になった(全国平均は11.1人)

糖尿病の四大原因は、加齢、遺伝、肥満、運動不足と言われているが、徳島県に限らず、公共交通機関が少ないマイカー頼みの地方社会が死亡率が高い傾向がある。

2006年は、徳島県を筆頭に、2位鹿児島県(14.2人)、3位福島県(14.1人)、4位鳥取県(13.7人)、5位青森県(13.6人)がワースト5であり、逆に東京都(9.9人)の他、岐阜県(9.5人)、長崎県(9.5人)、大分県(9.5人)、宮崎県(9.3人)、滋賀県(9.1人)、埼玉県(8.9人)、奈良県(8.5人)、神奈川県(8.4人)、愛知県(7.5人)の10都県が10万人当たりの死亡率が10人を下回る。

際立った地域格差が見られるのも糖尿病死亡率の特徴である。死亡率の低い地域に九州の高齢者が多い地域も入っていることから、加齢や遺伝以外にも、食習慣や運動習慣が大きく影響することは以前より指摘されている。
死亡率の高い県は、きめ細かい分析と対応に早急に取り組み、なおかつ、それを根気よく継続していく必要に迫られている。



分類
糖尿病は、以下に挙げられているように、発症の機序(メカニズム)によって分類されている。
以前は治療のやり方によって「インスリン依存型糖尿病」あるいは「インスリン非依存型糖尿病」に分類されていたことがあった。さらにそれより以前には、I型糖尿病、II型糖尿病とローマ字を使って分類されていた。
しかし2010年現在ほぼ世界中すべてにおいて、以下のように病気の原因に基づく分類が用いられている。
ここでは日本糖尿病学会分類基準(1999年)にしたがって分類している。

1型糖尿病
1型糖尿病は膵臓のランゲルハンス島でインスリンを分泌しているβ細胞が死滅する病気である。その原因は主に自分の免疫細胞が自らの膵臓を攻撃するためと考えられているが(自己免疫性)、まれに自己免疫反応の証拠のない1型糖尿病もみられる(特発性)。

一般的に「生活習慣が悪かったので糖尿病になりました」と言う場合、1型糖尿病を指すことはほとんどない。
患者の多くは10代でこれを発症する。
血糖を下げるホルモンであるインスリンの分泌が極度に低下するかほとんど分泌されなくなるため、血中の糖が異常に増加し糖尿病性ケトアシドーシスを起こす危険性が高い。
そのためインスリン注射などの強力な治療を常に必要とすることがほとんどである。

2型糖尿病
2型糖尿病はインスリン分泌低下と感受性低下の二つを原因とする糖尿病である。一般的に「生活習慣が悪かったので糖尿病になりました」と言う場合、この2型糖尿病を指す。欧米では感受性低下(インスリン抵抗性が高い状態)のほうが原因として強い影響をしめすが、日本では膵臓のインスリン分泌能低下も重要な原因である。
少なくとも初期には、前者では太った糖尿病、後者ではやせた糖尿病となる。
遺伝的因子と生活習慣がからみあって発症する生活習慣病で、日本では糖尿病全体の9割を占める。

2型糖尿病が発症する原因は完全に明らかではないが、大筋を言うと、遺伝的に糖尿病になりやすい体質(遺伝因子)の人が、糖尿病になりやすいような生活習慣を送ること(環境因子)によって2型糖尿病になると考えられている。
遺伝的な原因としては、KCNQ2、PPARG、KCNJ11、TCF2L7などと言った遺伝子上の配列の違いによって、同じような生活習慣を送っていても、ある人は糖尿病が起こりやすく、別の人は起こりにくくなるという違いがあることがわかってきている。
また、日本で欧米と比較して多く見られるインスリン分泌能低下を主要因とするやせ型糖尿病の原因遺伝子としてKCNJ15が挙げられていて、日本人において発見されたこの遺伝子上の危険因子となる配列は欧米人にはきわめてまれであると報告されている。
いっぽう糖尿病になりやすくなる環境因子としては、圧倒的な危険因子として肥満が挙げられるほか、喫煙や運動不足[11]などがある。

遺伝因子として遺伝子異常が同定されたもの
1型、2型の糖尿病は、その原因が完全に明らかである訳ではない。いっぽうこの項目に分類される疾患は、特定の遺伝子の機能異常によって糖尿病が発症している、という原因がわかっている糖尿病である。頻度はきわめてまれ。
いずれも比較的若年(一般的に25歳以下)に発症し、1型ほど重症ではなく、強い家族内発症がみられるという特徴があるが、臨床所見は大きく異なる。

若年発症成人型糖尿病
純粋に糖尿病のみを来すメンデル遺伝疾患で、常染色体優性遺伝を示す。内服薬による治療が奏効する場合が多い
MODYにはMODY1 - 6という6種類の病型が知られている。
MODY1では肝細胞核転写因子 (HNF) 4αを、MODY2ではグルコキナーゼを、MODY3ではHNF1αを、MODY4ではインスリンプロモーター因子
(IPF) 1を、MODY5ではHNF1βを、MODY6ではneuroD1をコードする遺伝子にそれぞれ変異が認められる。

ミトコンドリア遺伝子異常
そのメカニズム通り(参考: ミトコンドリアDNA)母方のみから遺伝し、難聴を伴うMIDD 、最重症型で脳卒中・乳酸アシドーシスなどを来すMELASなど多彩な病像を呈する。

ミトコンドリア遺伝子異常にはいくつかの変異ポイントがあるが、最多のものは3243A->G変異である。
インスリン受容体異常症
黒色表皮腫や体毛が濃いなどの特徴的な体格がみられる。糖尿病として診断されるのはヘテロ接合型の患者であり、ホモ接合型では乳児期以降まで生存しない。

インスリン自体の遺伝子異常
報告されているが極めてまれである。
いずれも診断にはゲノムDNAやミトコンドリアDNAを検体とした特殊な検査が必要である。

続発性糖尿病
続発性糖尿病(二次性糖尿病)は、他の疾患によって引き起こされる糖尿病である。
以下に挙げたものは代表的な疾患で、ほかにも原因となる疾患は存在する。

グルカゴンを異常分泌するグルカゴン産生腫瘍
糖質コルチコイド作用が異常増加するクッシング症候群、原発性アルドステロン症
アドレナリンを異常分泌する褐色細胞腫
成長ホルモンを異常分泌する成長ホルモン産生腫瘍(先端巨大症)
肝硬変
慢性膵炎、ヘモクロマトーシス、膵癌
筋緊張性ジストロフィー
薬剤性(サイアザイド系利尿薬、フェニトイン、糖質コルチコイド(ステロイド)など)
妊娠糖尿病

妊娠糖尿病は、妊娠中のみ血糖値が異常となる症状をいう。2型糖尿病とは異なる病気であることに注意を要する
(必ずしも「生活習慣の悪い妊婦」がなるわけではない)。

原因としては、妊娠中に増加するホルモンであるhPLやエストロゲン、プロゲステロンなどがインスリン抵抗性を悪化させることによる。一般には、出産後に改善する。
一方、もともと糖尿病患者が妊娠した場合は、糖尿病合併妊娠と呼ばれる。とは言え、もともと糖尿病であったかどうかを完全に確認できているわけではなく、妊娠糖尿病で発症し、分娩後もそのまま糖尿病が治らないこともままある。
基本的に食事療法が行われるが、改善しない場合、後述の胎児へのリスクもあり、また飲み薬は催奇形性の懸念があるためインスリン注射療法を行うことになる。
胎児への影響があるため、通常時より厳格な管理を必要とし、六分食やインスリン持続皮下注 などを行うこともある。

妊娠糖尿病では先天異常のリスクが高まるが、妊娠初期から正常血糖を保っていれば、通常の妊娠と同等である。
早産も多く、羊水過多、妊娠高血圧症候群の頻度も高いハイリスク妊娠のひとつである。
妊娠糖尿病では巨大児になりやすいため、難産になりやすい。
また妊娠糖尿病では中枢神経系よりも身体の発育が良いので、出産のときに頭が通っても肩が通らない肩甲難産になりやすい。そのため、分娩が長引く場合は帝王切開が良い。

症状
通常糖尿病患者は自覚症状はないと考えることが多い。
しかし、よくよく話を聞いてみると、下記に列挙するような手足のしびれや便秘などが実はあるのだが、特別な症状と考えていないことがある。
血糖値がかなり高くなってくると、口渇・多飲・多尿という明白な典型的症状が生じる。
これらは血糖値が高いということをそのまま反映した症状なので、治療により血糖値が低下するとこれらの症状は収まる。血糖値がさらに高くなると、重篤な糖尿病性昏睡を来たし、意識障害、腹痛などをきたすこともある。
いっぽう発症初期の血糖高値のみでこむら返りなどの特異的な神経障害がおこることがある。また発症初期に急激に血糖値が上昇した場合、体重が減少することが多い(血液中に糖分が多い一方、脂肪細胞などは糖分が枯渇した状態になるためである)。

その他の症状は、たいてい糖尿病慢性期合併症にもとづくものである。

糖尿病性網膜症を発症すると視力が低下する
糖尿病性腎症によって最終的にはむくみや乏尿、全身倦怠感など種々の症状が出現する。
糖尿病性神経障害には2種類あって、末梢神経障害によって手足のしびれなどがおこる一方、自律神経傷害がおこると便秘、立ちくらみ、勃起不全などの原因となる。

糖尿病は皮膚にも糖尿病性リポイド類壊死をはじめとする様々な合併症を引き起こすことがあって、それに伴う症状が出現することがある。
これらのような糖尿病に典型的な合併症に加えて、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症、脳梗塞も糖尿病においてはきわめて起こりやすいので、それらの病気に由来する症状を起こすことがある。
 
症状そのものも重要だが、「あるべき症状を感じないことがある」ことも糖尿病の重要なポイントである。
すなわち、神経障害が起こった状態での心筋梗塞がそれである。
心筋梗塞は通常激しい胸痛を伴うので、患者はすぐさま医療機関への受診へと至り治療を行うことになる。ところが糖尿病がある場合、この重要な警告情報である「胸痛」を感じないことがあって、「無痛性心筋梗塞」と呼ばれる。
これは自覚症状がないので早期の治療を困難にし、知らぬ間に心不全に至ることがある。
同様のこととして、末梢神経障害があるので、手足の先で温度を感じる機能がにぶくなったため、こたつやあんかなどで低温やけどを来すことがある。
この場合、糖尿病はさらに閉塞性動脈硬化症を併発していたりして、手足への血液(これは栄養そのものである)の供給が不十分であると、傷ついた手足の皮膚を修復できず、傷がどんどん広がって巨大な足潰瘍に至り足切断をしなければならなくなる。

検査
糖尿病の診断や治療効果判定のためには血液検査のほかに様々な検査を行う。
また慢性期合併症の治療目的で行われることもある。

診断
日本では、日本糖尿病学会が2010年7月より新しい診断基準を施行した。
新基準では、血糖値だけでなくHba1cの基準も設けられた。

血糖値(空腹時血糖値、75gOGTT2時間後血糖値、随時血糖値)及びHba1cの検査結果で判定を行う。

空腹時血糖(mg/dl) 75gOGTT2時間後血糖(mg/dl) 随時血糖値(mg/dl) Hba1c(%)
糖尿病型 126以上 200以上 200以上 6.5%以上(JDC値では6.1%以上)

一回目の判定で糖尿病と診断されるケース
血糖値とHba1cがともに糖尿病型だった場合
血糖値のみが糖尿病型であり、口渇や多飲、多尿など糖尿病の典型症状や糖尿病性網膜症がみられる場合
二回目の判定で糖尿病と診断されるケース
一回目では血糖値のみが糖尿病型。二回目で血糖値、Hba1cのいずれか(若しくは両方)が糖尿病型だった場合
一回目ではHba1cのみが糖尿病型。二回目で血糖値が糖尿病型だった場合

血糖値、Hba1cのいずれかが糖尿病型だったにもかかわらず、上記以外ケースで糖尿病と診断にいたらなかった場合は「糖尿病疑い」とされる。糖尿病疑いの人は3〜6か月以内の再検査が推奨され、その時点で再度判定することになる。

治療
糖尿病の治療は分類、または重症度(進行度)によって異なる。

1型糖尿病においては早期から強力なインスリン治療(強化インスリン療法や持続的インスリン皮下注射)を行う。
2型糖尿病に対しては様々なパターンの治療が行われる。
 
まずは食事療法と運動療法が行われる。これによって血糖値が正常化するならそれで問題はない。

食事療法、運動療法で血糖値が正常化しない、もしくは最初から血糖値が高くてこれらの治療だけでは不十分と考えられるなら経口血糖降下薬あるいはGLP-1受容体作動薬を使用する
 
経口血糖降下薬あるいはGLP-1受容体作動薬でも血糖値が正常化しないならインスリン自己注射を開始する。
ただし、経口血糖降下剤を経由せず、当初からインスリン自己注射を行うという考え方も存在する。
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肝炎とは、何らかの原因で肝臓に炎症が起こり発熱、黄疸、全身倦怠感などの症状を来たす疾患の総称である。


日本ではウイルス性による肝炎が80%を占める。日本では特にA、B、C型が多い。


原因
肝炎の原因は以下が存在する

ウイルス性肝炎
A型肝炎 - 経口感染
B型肝炎 - 垂直(母子感染)、性行為感染(性感染症のひとつとも分類されている)
C型肝炎 - 血液感染(麻薬の注射器での回し打ち、刺青、輸血、血液製剤等)
D型肝炎
E型肝炎 - 経口感染
G型肝炎
TT型肝炎
肝炎ウイルス以外:EBウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルスなど
アルコール性肝炎
非アルコール性脂肪性肝炎
薬剤性肝炎
自己免疫性肝炎
原発性胆汁性肝硬変

病態
肝炎ウイルスによる肝炎発症の機序は、ウイルス自体が肝細胞を破壊するために起こるのではなく、肝細胞内で増殖しているウイルスに対する生体の免疫反応によって、ウイルスだけではなく肝細胞も一緒に障害を受けてしまうことによる。

臨床像
急性肝炎
肝の急性の炎症。頻度としてはA型肝炎が多く、一過性に重篤な肝障害、劇症肝炎を起こすことがある。
また、成人の成人発症のB型肝炎も殆どは急性肝炎で発症する。HBVによる慢性肝炎も有名であるが、これは垂直感染によってキャリア化した場合が殆どである。
但し、キャリアが急性増悪を起こし、急性肝炎のような経過を取ることはよくある。また、薬剤性肝障害も急性の発症をする。アルコール性肝障害のひとつであるアルコール性肝炎も急性肝炎の発症をする。
アルコール性肝炎は劇症肝炎に近い経過をとることも多く、急性膵炎と同様、非常に重篤な病態である。ウィルソン病、バッドキアリ症候群は急性、慢性両方の経過を取りえる。

劇症肝炎
発症後8週間以内に高度の肝機能異常、肝性昏睡II度以上を来たし、プロトロンビン時間が40%以下であるものを指す。

急性型
発症してから脳症出現までの期間が10日以内

亜急性型
発症してから脳症出現までの期間が11日以降
亜急性型のほうが急性型と比較して圧倒的に予後が悪い。亜急性型劇症肝炎の救命率は未だに10%程度である。
基本的に、急性型はA型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)が原因であることが多く、亜急性型は原因不明であることが多く、両者は別疾患であるのではないかと考える学者もいる。
亜急性型では予後が悪いとわかっているので肝移植を検討することが多い。
劇症肝炎は有効な内科的治療法が殆ど確立していない。血漿交換、ステロイド、グルカゴン・インシュリン療法など一応治療法と呼ばれるものはあるが、効果の無さは救命率が示している。
劇症肝炎の合併症としては消化管出血、脳浮腫、DICなどがあげられる。

総合感冒薬や解熱鎮痛剤に含まれるアセトアミノフェンは大量服薬をすると劇症肝炎を起こすことが知られており、自殺目的に利用するものも多い。

発症後8週以降、6ヵ月未満に肝性昏睡II度以上、プロトロンビン時間40%以下を示すものを指す。劇症肝炎亜急性型と同様に予後は悪い。

慢性肝炎
慢性肝炎とは、臨床的には6ヶ月以上の肝機能検査の異常とウィルス感染が持続している病態を指す。
組織学的には、門脈域にリンパ球を主体とした細胞湿潤と繊維化を認め、肝実質内には種種の程度の肝細胞の変性・壊死所見を認める。

肝硬変や肝細胞癌へと進行する恐れがある。頻度としてはC型肝炎が最も多いが、鑑別として、AST、ALTといったトランスアミナーゼ上昇が目立つ場合は自己免疫性肝炎、ALP、γGTPといった胆道系酵素が目立つ場合は原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎を疑うべきである。
B型肝炎が原因である可能性もあり、ウイルスの抗原、抗体を検査する必要がある。
自己免疫性肝炎なら、抗核抗体、抗平滑筋抗体、抗肝可溶性抗原抗体を測定し、原発性胆汁性肝硬変ならば抗ミトコンドリア抗体を測定するべきである。原発性硬化性胆管炎ならば、画像所見で比較的診断をつけやすい。

一般に慢性肝機能障害では高グロブリン血症をきたすことが知られている。トランスアミナーゼの上昇が軽度で、肝の予備能が明らかに低下している肝硬変まで至らないような状況である場合は、この所見は非常に重要となる。
IgG、IgMを測れば良いのであるが測定に簡便さという点で、ZTTやTTTがよく利用される。
TTTは血清IgM量を、ZTTは血清IgG量を反映する。
但し、高グロブリン血症は炎症が起こっている場合は、大抵は起こる非特異的な所見である。
A型肝炎ではTTTが上昇するがIgMは上昇するのだから当然である。あくまで、検査値で肝機能障害がわかりにくい場合に測定する項目である。

慢性肝炎では肝硬変の移行がないのかを確認することが重要である。
具体的には血小板数、コリンエステラーゼ、アルブミン、プロトロンビン時間などで肝機能を調べつつ、血清ヒアルロン酸で肝の線維化をみて、エコーで形態変化をみる。ウイルス性肝炎の場合は肝硬変に至る前にインターフェロン治療等を行うのが望ましい。
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B型肝炎
日本においてB型肝炎ウイルス保有者(キャリア)は、150万人程度といわれている。
そのうち10%が肝炎発症となり、慢性肝炎、肝硬変、肝細胞癌に進行する。
しかし、5%は自然治癒する。したがって、キャリアのうち5%が慢性肝疾患になる。


近年、日本ではあまり見られなかったジェノタイプA(北米、欧州、中央アフリカに多く分布する)のB型肝炎ウイルス感染が広がりつつある。
ジェノタイプAのB型肝炎ウイルスに感染した場合、その10%前後が持続感染状態(キャリア化)に陥る。本来、日本に多いジェノタイプCのB型肝炎ウイルスは、成人してからの感染では、キャリア化することはまれであったことから、ジェノタイプAのB型肝炎ウイルス感染の拡大には、警戒が必要である。

感染
B型肝炎ウイルスは血液を介して感染する。感染経路は主に以下がある。成人以降での水平感染 の多くは一過性であることが多い。

垂直感染:母子感染
水平感染:性行為感染・輸血・臓器移植・刺青・針刺し事故等
かつては輸血による感染が多かったが、現在では先進国では検査体制が確立したためほとんど見られない。
現在は針刺し事故や覚醒剤注射の回し打ちなどが主であるが、臓器移植によるものも見られる。
また、最近の刺青業者は衛生面に気を遣っているようだが、昔は針の使い回しが多く、刺青を入れた年代によっては感染の危険性が高い。

日本では、戦後から昭和63年頃まで行われた幼児期の集団予防接種における注射針の使い回しにより、B型肝炎ウイルスが蔓延した。

初期感染
B型肝炎ウイルスに感染した場合、多くは無症状で経過するが、20〜30%が急性肝炎を発症し、1〜2%が劇症肝炎化する。D型肝炎の混合感染も生じる場合もある。
成人の初感染の多くは、免疫応答でウイルスを排除して一過性感染であるが、近年成人感染のキャリア化が報告されている。

持続感染
母子感染の90%以上は、C型肝炎と同様、B型肝炎ウイルスに持続的感染を呈する場合が多い。
1986年から母子間ブロックが行われるようになってからは感染はほとんど防げている。

HBe抗原陽性無症候性キャリア
血液検査にて、HBe抗原陽性を示し、ALT高値を示さない状態。B型肝炎ウイルスが増殖しているが、肝障害は呈していない状態のこと。多くの場合、自然経過でHBe抗原陰性・HBe抗体陽性を生じ、HBe抗体陽性無症候性キャリアへ移行するが、一部は慢性肝炎へと移行する。


HBe抗体陽性無症候性キャリア
血液検査にて、HBe抗体陽性を示し、ALT高値を示さない状態。B型肝炎ウイルスが完全には排除しきれていないが、ウイルスの増殖は抑えられ、肝障害を呈さなくなった状態のこと。多くの場合は自然経過を経る。

慢性B型肝炎
B型肝炎ウイルスが増殖し、血液検査においてALT高値持続認め、肝障害を呈している状態。肝硬変への移行・肝細胞癌の発症を生じてくる。

急性B型肝炎
近年、さまざまな免疫抑制剤・抗癌剤・分子標的治療薬が開発され、それらの使用により沈静化していたB型肝炎か再燃するもの。劇症肝炎への移行率が高く、注意を要する。
2001年リツキシマブとステロイドの併用により加療していた悪性リンパ腫患者が報告されてからクローズアップされている。

肝硬変

肝細胞癌
C型肝炎と異なり、B型肝炎では肝硬変を経ずに肝細胞癌の発症が見られる。無症候性キャリアであっても発症することもある。

検査
問診
基本的に血液感染・性行為感染によって成立するため、輸血、注射、手術、針刺し事故、覚醒剤注射・異性関係などの感染の原因となりうることがあったかどうかを確認が大切である。

血液検査
ウイルス検査
HBs抗原:陽性であればHBV感染を示す。
HBs抗体:中和抗体であり、陽性であれば既感染・治癒を示す。
HBc抗体:陽性であればHBV感染を示す。多くの場合HBs抗原陽性であるが、HBs抗原陰性であってもHBc抗体陽性であればHBV感染の場合もある。

HBc-IgM抗体:初期感染急性期または慢性肝炎急性増悪期に上昇傾向を示す。
HBe抗原:HBV量が多いことを示す。
HBe抗体:HBV量が少ないことを示す。
HBV-DNA:HBVのDNA量を直接測定したもの。
臨床的には大まかに以下のように状態評価していく。

HBs抗原 HBs抗体 HBe抗原 HBe抗体 HBV-DNA 臨床像
(-) (+) (-) (-) (-) 既感染・治癒
(+) (-) (-) (+) (-) HBe抗体陽性無症候性キャリア
(+) (-) (+) (-) (+) HBe抗原陽性無症候性キャリア
(+) (-) (+) (-) (+) 慢性B型肝炎

肝障害
ALT・AST
肝線維化
IV型コラーゲン・ヒアルロン酸など
肝機能
血小板(Plt)、プロトロンビン時間(PT)、アルブミン (Alb)、コリンエステラーゼ (ChE) など
肝細胞癌の腫瘍マーカー
AFP、AFP-L3、PIVKA-II、
画像検査

腹部超音波検査
CT
MRIなど
病理組織検査
肝生検により肝臓の傷害について、リンパ球浸潤や線維化などの組織学的評価ができる。
HBs抗体陽性例やHBV-DNA量が測定感度以下であり、既感染と診断されていても肝臓の組織内にcccDNAという形態でHBVが残存していることがあり注意を要する。"occult
HBV"と呼ばれる。

予防
B型肝炎ウイルスに対しては、高HBIG(高力価HBs抗原ヒト免疫グロブリン)・HBワクチンにより感染の減少がみられる。

母子感染予防
現在、B型肝炎キャリアの多くは母親からの垂直感染(母子感染)であり、外国では母子感染予防の為、B型肝炎ワクチンを乳児期に定期接種している例が多い。日本では、母子感染防止対策事業として、妊婦に対するHBs抗原検査が実施され、健康保険によりHBs抗原陽性妊婦からの出生児へ、抗HBs人免疫グロプリン投与・B型肝炎ワクチン接種を施行している。

接種スケジュールは、一般的には1回目と2回目が4週間間隔(米国では30日)、2回目と3回目が半年間隔である。
10年間抗体維持。
緊急接種の場合(緊急でハイリスク暴露になる可能性がある場合)、米国では次の接種法が承認された。
1回目と2回目が1週間間隔、2回目と3回目が2週間間隔、3回目と4回目が1年間隔。これで、10年間の抗体維持ができるとされる。

水平感染防止
労災事故防止(対象 医療関係者・救急関係者等)の観点から実習前の段階からB型肝炎ワクチンの接種が望ましいとされているが、日本では労働安全衛生法上の義務にも関わらず一部の医療機関でB型肝炎ワクチンの予防接種の未実施や接種費用の一部の自己負担を請求している等の問題がある。

渡航者もB型肝炎ワクチンの接種対象となる。
日本製、または、日本で承認されているB型肝炎ワクチンの抗原量は10マイクログラムであり、日本以外の製品の20マイクログラムの半分量であること。

治療
慢性B型肝炎の治療の目的は、慢性肝炎の沈静化(ALTの正常化)と、その後の肝硬変への移行・肝細胞癌発症の阻止にある。急性B型肝炎は基本的に保存的加療がなされる。

抗ウイルス療法
抗ウイルス治療はB型肝炎ウイルスを排除する治療である。
B型肝炎ウイルスは自然経過において排除抗体(HBs抗体ないしHBe抗体)を取得し、ウイルスの活性化が沈静化していき、これを「セロコンバージョン」と呼ばれているが、抗ウイルス治療はこれを促していくことを目標としていく。
治療適応は「HBe抗原陽性無症候性キャリア」・「慢性B型肝炎」・「B型肝硬変」である。

抗ウイルス治療の基本は、以前はインターフェロン(IFN)であったが、核酸アナログ製剤の登場によって治療成績も改善している。
ただ、核酸アナログ製剤には、耐性ウイルスが出現することも多く、それによる急性肝炎が発生することも少なくない。

インターフェロン(IFN)
IFNα (スミフェロンR、オーアイエフR)
IFNα2b(イントロンAR)
IFNβ (IFNR、フエロンR)
核酸アナログ製剤
ラミブジン Lamivudine(ゼフィックス ZefixR)
元々HIV治療薬として開発された。耐性ウイルス出現が多く、近年は新規使用には用いられていない。
アデフォビル Adefovir(ヘプセラ HepseraR)
ラミブジン耐性のウイルス治療薬として承認された。ラミブジン耐性ウイルス出現時にラミブジンと併用で用いられる。
エンテカビル Entecavir(バラクルード BarecludeR)
ラミブジンよりウイルス抑制作用が強力で、現在はほぼ核酸アナログ製剤として第一選択で用いられている。
テノフォビル Tenofovir(ビリアード VireadR)
核酸アナログ製剤の次世代薬。日本ではB型肝炎には未承認。抗HIV薬としては日本・海外で広く使用されている。B型肝炎ウイルスに対しても海外では良好な成績が報告されている。

テルビブジン Telbivudine:LdT(SebivoR TyzekaR)
クレブジン Clevudine(RevoivirR)
基本的に年齢によって治療選択される。

35歳未満:免疫応答によるセロコンバージョンが期待され、免疫賦活作用もあるIFN治療が選択される。
ウイルス量が多い場合、核酸アナログ製剤との併用療法が行われる。
35歳以上:セロコンバージョンの可能性が低く、核酸アナログ療法によるウイルス抑制治療が選択される。ウイルス量が多い場合、IFNとの併用療法が行われる。
また、核酸アナログ療法は催奇形性があるため、挙児希望の場合はIFNが行われる。
肝庇護療法
抗ウイルス療法以外に、ALTの正常化を計る目的で、以下が用いられる。
ただ、肝庇護療法はC型肝炎には比較的効果はあるが、B型肝炎にはあまり効果を示さない場合も多い。

グリチルリチン(SNMC:強力ネオミノファーゲンCR)
ウルソデオキシコール酸(UDCA:ウルソR・ウルソサンR)
肝臓加水水解物(プロヘパールR)
小柴胡湯(漢方):IFNとの併用は間質性肺炎のリスクが高まるとのことで併用禁忌薬
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B型肝炎
現在の日本のHCV感染者数は約200万、世界では1億7千万(世界人口の3%近く)がキャリアであると見られている。


日本ではインターフェロン治療が効きにくい1b型が70?85%を占め、以降2a型が10?15%、2b型が約5%で、他はまれである。
ただし、血友病患者では1a型が多い。
これは血友病患者がC型肝炎に罹患する原因となった血液製剤の輸入元であるアメリカでは1a型が最も多いことに由来する。

感染経路
HCVは血液が主な感染経路で、かつては輸血による感染が多かったが、現在においては先進国では検査体制が確立したためほとんど見られない。現在は針刺し事故や刺青、覚醒剤注射の回し打ちなどが主である。

性行為や母子感染率は少ない。

初期感染
一般に自覚症状が乏しい場合もあるが、発熱・全身倦怠感・食欲不振・悪心・嘔吐が出現し、血液検査にて肝障害(AST・ALT高値)、黄疸(T-Bil高値)を認めるといった急性肝炎症状を呈する場合が多い。
多くは症状が強いほど自己の免疫応答によってC型肝炎ウイルスの排除が行われるが、70%程度は感染が遷延化し持続感染へと移行する。
なお、B型肝炎やA型肝炎に比較して劇症肝炎を呈する例は稀である。

持続感染
初期感染後に、血液検査にてALTが正常化しHCV-RNAも陰性となってC型肝炎ウイルスが排除され治癒する場合もあるが、70%程度はC型肝炎ウイルスが排除されず、血液検査にてHCV-RNA陽性状態が続き、持続感染状態となる。

慢性肝炎
血液検査にて、HCV-RNA陽性でALTが正常な場合は無症候性キャリアであるが、多くの場合はALT高値持続し慢性肝炎状態となる。
ALT高値が持続する慢性肝炎の状態を5〜10年以上経過することで、その後肝硬変への移行・肝細胞癌発症となってくる。 慢性肝炎持続の場合、約60%が肝硬変へと進展し、肝硬変後は年間7?8%が肝細胞癌を発症する。
肝硬変に至る前は肝細胞癌への発症率は低い。

肝硬変

肝細胞癌

検査
問診
基本的に血液感染によって成立するため、輸血、注射、手術、針刺し事故、覚醒剤注射などの感染の原因となりうることがあったかどうかを確認が大切である。

血液検査

ウイルス検査
HCV抗体:多くの医療機関・検診等にてスクリーニングで施行。感染初期には陰性を呈する場合も多い。
HCV-RNA:C型肝炎ウイルスのRNA量を多くはPCR【現在最下限界値計測はTaqman-PCR法である】で測定する。
HCV抗体陽性でも、HCV-RNA陰性の場合は既感染・治癒症例と診断する。
抗ウイルス治療の効果判定にも用いられる。
HCV-RNA genotype/serotype:HCV-RNAの型によってインターフェロン療法の治療効果推測に用いられる。

肝障害
ALT・AST
肝線維化
IV型コラーゲン・ヒアルロン酸など
肝機能
血小板(Plt)、プロトロンビン時間(PT)、アルブミン (Alb)、コリンエステラーゼ (ChE) など
肝細胞癌の腫瘍マーカー
AFP、AFP-L3、PIVKA-II、
画像検査


腹部超音波検査
CT
MRIなど

病理組織検査
肝生検により肝臓の傷害について、リンパ球浸潤や線維化などの組織学的評価ができる。
治療
慢性C型肝炎の治療の目的は、慢性肝炎の沈静化(ALTの正常化)と、その後の肝硬変への移行・肝細胞癌発症の阻止にある。急性C型肝炎は基本的に保存的加療がなされる。

抗ウイルス療法
抗ウイルス治療はC型肝炎ウイルスを排除する治療である。
インターフェロン療法は、リバビリン併用やインターフェロンのペグ(ポリエチレングリコール)化などによって治療成績が改善し、難治性の遺伝子型1b型高ウイルス量症例では約50%が、2型もしくは1b型低ウイルス量症例では80%近くがウイルス学的著効(SVR)が得られるようになった。

薬物治療
インターフェロン(IFNα)を基本とし、IFNα単独療法から、イントロンAR+リバビリン併用療法の開発によって治療法は大きく発展してきた。
現在では体内停滞時間を持続させたポリエチレングリコールを付加したペグインターフェロン+リバビリンの併用療法が中心となっている。
ペガシス PegasysR+コペガス CopegusR
ペグイントロン PegintronR+レベトール RebetolR
C型肝炎ウイルスに対する治療効果は、ウイルスの「serotype(血清型)」によって類別され、1群に類別される場合は48週投与を施行し、それ以外に類別される場合は24週投与を行う。

治療効果は血液検査にてHCV-RNA量を測定して評価する。
治療終了後6ヶ月の時点までHCV-RNA陰性が持続している状態を「ウイルス学的著効」と言う。
また、難治性の遺伝子型1b型高ウイルス量症例に対しては以下の単剤投与の効果も高い。
Consensus-IFNα・IFNαcon1(アドバフェロン AdvaferonR)
また、現在プロテアーゼ阻害薬が海外において治験中で、遺伝子型1型に対してのSVR成績が良好と報告されている。

血液浄化療法
VRAD(ウイルス除去療法または血液浄化療法)と呼ばれ、IFN治療に血液透析を併用することで治療効果を高める目的で施行される。2008年4月から保険適用となった。


スタチン+ペグインターフェロン+リバビリン
SVR率を向上させる為の条件として、早期のウイルス陰性化が必要になってくる。
4〜8週までに陰性化を得られた場合の最終的なSVR率が難治例の1型高ウイルス量でも高いことから、現在では前述のVRADを初め試行錯誤されている。
中でも多くの専門医が実施しているのがスタチン(脂質異常症治療剤)の併用で行われる3剤治療である。特に一度インターフェロン治療を行ったが再燃した患者に選択として考慮される。臨床学的信頼性は低いものの、安価でかつ可能性のある療法として現在は選択されている。
その他にも併用薬は色々と試されているが2011年発売予定のプロテアーゼ阻害薬が出れば選択からは外れる見込みである。

肝庇護療法
抗ウイルス療法以外に、ALTの正常化を計る目的で、以下が用いられる。

グリチルリチン
ウルソデオキシコール酸
肝臓加水水解物
小柴胡湯(漢方):IFNとの併用は間質性肺炎のリスクが高まるとのことで併用禁忌薬
その他
血中の鉄分が肝障害を与えるとし、瀉血療法を用いることもある。

予防
針刺し事故では速やかに傷口を洗い流す。
針刺し事故後に予防的にインターフェロンを投与することもあるが、急性肝炎発症率は1%程度と低いので必ずしもやらなくてよい。現在C型肝炎ワクチンの研究開発中である。


血液製剤は、非血友病患者にも投与された。
非血友病患者に対する血液製剤(フィブリノゲン製剤、第IX因子製剤)の投与によるC型肝炎感染については、国と製薬会社を相手とする訴訟(薬害肝炎訴訟)が起こされている。


HCVコア蛋白質の一部が核に移行して分解され、脂肪合成を促す。
プロテアソームアクチベータであるPA 28γはコア蛋白と結合し分解する。
脂肪変性/肝発癌を発症するCoreトランスジェニックマウスはPA 28γノックアウトにより発症しなくなる。
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